第2章 傘の内側
遊摺部くんから少し距離を取る。
この顔、好きじゃない。
「おい、やれつってんじゃねぇよ。
どういうことか知りてぇんだろ」
遊摺部くんの姿が皇后崎くんの身体で見えなくなった。
鼻息が荒くなった遊摺部くんが皇后崎くんの背中から顔を出す。
「セックスというのはですね…
〇〇〇(ピー)を〇〇〇(ピー)に挿れるんですよ」
ピーの部分がなんのことかわからずに首を傾げる。
男性と女性の性器のことだと教えられた。
「ある…たぶん、セックス…したことある。
無人さんじゃない、無人さんは触ってくれるだけ」
みんなが黙ってしまった。
無人さんとのことは内緒しなきゃいけないんだったっけ?
どうだったかな…言うなって言われたっけ…。
経験があることを無人さんに言ったのか聞かれたので、首を振った。
聞かれてないし…そもそも、それになんの意味があるの?
「した奴は、好きだったのか?」
「ううん、嫌い」
皇后崎くんに、無人さんには黙っておけと言われた。
聞かれなきゃ言うこともないけど…無駄だから聞かないんだと思うし。
知らないことは全部、無人さんに教えてもらいたかった。
でも教えてくれなそうだから、全部みんなに聞いた。
今までしていた行為に、羞恥心が宿る。
無人さんは何を思って、私に触れていたの?