第2章 傘の内側
血が出てから1週間程経ち、もう出なくなった。
無人さんはまた1ヶ月後に来ると言っていた。
そして、3日程無人さんに会えていない。
寂しい…夜は眠るまで一緒にいてくれるんじゃなかったの?
「無人さん?……遊摺部くんいる?」
無人さんたちの部屋の前で、恐る恐る声をかけても、返事はなかった。
恐らく遊摺部くんはお風呂、無人さんは…たぶんまたいない。
ドアノブを握ると動いた。
鍵が掛かっていない。
無人さんにバレたら怒られそうだけど、少しだけ…遊摺部くん帰ってくる前に出たらいい。
部屋の中に入ってベッドを確認する。
無人さんは…下で寝てるのか。
布団を持ち上げてベッドに入り、頭まで布団を被った。
少しだけ無人さんの匂いが残っている。
寂しさで縮んだ胸が解れていく感覚があった。
大きく息を吸い込んで吐き出す。
この布団、持って帰ったらダメかな…。
少しの間そうしていると、ガチャっと扉を開ける音がした。