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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第12章 傷と夜空


七海建人═高専時代═

東京校からは遠い場所
あの日も、任務は「二級呪霊」とされていた

隣にいたのは同期の灰原
「七海、終わったら、紅海先輩と
ラーメン食べに行こうよ」
「流鏑馬さんと?ここ県外だろ?」
七海は眉間にシワを寄せる

「さっき駅で会ったんだ、先輩もこの近くで
任務入ってるみたいだからさ…
後、夏油さんに、お土産頼まれてるんだ
甘いものが良いらしい!」
「じゃあ、流鏑馬さんに選んで貰った方がいい」
「えっ、それ僕のセンス疑ってる!?」

この辺一帯は、呪霊が集まりやすいのか?と、
七海は疑問を感じつつも
灰原と軽口を叩ける程度には、気の緩む現場のはずだった

だが、違った

呪霊は土地に根を張るように存在していた
その土地に千年以上と根付いた産土神信仰…代々続く人々の畏れ恐怖
神聖な顔を纏っているが、どこか異形
等級など、現場に立った瞬間に意味を失った

「これは、二級なんてもんじゃない…
灰原、一度……」
そう判断した時には、もう遅かった
灰原が吹き飛ばされ、地面を転がった
七海も、次の瞬間には視界が歪むほどの衝撃を受けていた

「ぐっ…灰原!」
灰原の応えは、かすれた声だった
灰原を庇いながらの応戦…呪力が削られる
反撃の一手が、ことごとく潰される

その時だ

空気が変わった

『…七海、灰原!大丈夫!?』

聞き覚えのある声
振り向くと、紅海がいた
別の任務が終わって様子を見に来たんだろう

「流鏑馬…さん…」
彼女まで巻き込んでしまってはイケない
「この呪霊は、恐らく
ここの産土神信仰から産まれた呪霊です…
早くココから…逃げてください」

だがそんな七海の言葉が聞こえたのか聞こえていないのか…
状況を一目見て、彼女は1ミリも躊躇しなかった

『ごめん!どこまで保つか解んないけど…』
パンッ!と掌を合わせ、そして、ゆっくり広がり掌印を結ぶ
普段の術式では、掌印を省略する彼女が…まさか



『 領 域 展 開 』

【 慈 掌 緩 枷 】
じしょうのゆるがせ


呪力の流れが、急に変わる

領域の端だと思われる数十メートル先に
呪力の十字架の様なものが幾つか刺さり囲われる
全てが閉じられはしない不思議な領域

呪霊の頭上に小さな十字架が見える
何かマーキングと言えるもの
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