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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第11章 目覚めと目覚め


══閑話══

医務室の外
渡り廊下には消毒薬の匂いもなく、
昼下がりの風が抜けていた

白い日差しを背に、五条悟は欄干にもたれている。
硝子は隣で、キャンディを転がしていた

「で?」

硝子が、横目でちらりと見る

「紅海と、何かあった?」

「何もない」

即答
間も、迷いもない

「え〜、残念」

だろうねと解った様にに言いながら
硝子は口の端だけ上げる

五条は空を見たまま、続けた

「でもまぁ…自覚は出来た」

硝子の視線が、今度は真正面から向く

「今さら…」

呆れ半分、納得半分

「ずっと引っ掛かってた物がさ
ストン、って落ちた感じ」

五条は肩をすくめる

「つきものが落ちた、って言うの?
やけに晴れやかなんだよね〜、今」

その言い方は軽い
以前の余裕とは少し違う

硝子は一瞬だけ、黙る
それから、小さく息を吐いた

「…で?」

五条は、笑ったまま言う

「これは、しばらく伏せておく」
その声音は、遊びがない

現代最強の呪術師
その肩書きを持つ限り、
“誰かを特別にする”事は、同時に標的を作ることだ

何かあった時
一番狙われるのは、自分じゃない
そうでなくても、紅海は呪霊に狙われやすい体質だ
硝子は、その意図を察して、何も言わなかった

五条は最後に、いつもの調子に戻す

「まぁ、紅海はさ」

くるっと振り返り、軽く笑う

「鈍いからね
気付かれないでしょ」

硝子は、ふっと目を細めた

鈍いのは、紅海も悟もお互い様だったけどね~

もうちょっとしたら、今度は紅海が来て
持ち帰り事件のクレームが入るだろうなぁと
嬉しく思う硝子

「もうちょっとしたら、春かな~」
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