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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第46章 秋の香りと想い


ただ、今はそれ以外のことを考えないようにするので精いっぱいだった

「…ありがとうございます…美味しいですね」
ようやく出た感想は、それだった

『良かったー!引かれたと思った~』
紅海が嬉しそうに笑う
七海は、ほんの少しだけ目を伏せた


一方の遊佐は、まだ皿を見ていた
「…………」
大好きやと?
紅海ちゃんが大好きて書いてくれたん?

『遊佐くん??』
「……いや」

遊佐は顔を上げた
ほんの数秒前まで、あんな可愛らしい顔をしていた人が、心配でこちらを見ている
「……大丈夫やで、紅海ちゃん」

どうにか、それだけを口にした

あかんあかんあかんあかん!!!
可愛すぎるやろ!!

胸の内で、思わず頭を抱える
文化祭でメイド姿の紅海を見たときも、十分すぎるほど衝撃だった
あの格好で、いつもの調子で笑って、少し照れて、目の前の人に一生懸命接客していた

それだけでも、かなり危なかったというのに(何が?)
まさか、こんな不意打ちが待っているとは思わなかった

この人に感謝する事無いと思っとったけど
五条さんに感謝!

―いや、本当に……もうね
言葉にならない
しかも、本人は自分が何をしたのか、まるで分かっていない
遊佐はグラスを持ち上げ、ビールを一口飲んだ

冷たいはずなのに、妙に熱が引かない
向かい側では、五条がこちらを見ていた

目が合う
五条は、にこっと笑った
くっそ、腹立つ、なんやあの余裕の笑みは!
この人、絶対分かっててやったな

五条は楽しそうに笑い、紅海の皿から一切れお好み焼きを取った

『あっ、悟!それ私の!』
「いいじゃん一口くらい」

『もう!自分のお皿のから食べてよ!』

「紅海のが美味しそうだったんだもん」
『同じだよ!』

「そうかなぁ」
いつもの調子で言い合う二人を見て、遊佐はため息をついた
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