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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第45章 文化祭とオムライス


そこには、黒髪に細い紫色の眼鏡をかけた遊佐由布湯が立っていた
今日は補助監督としてではなく、一人の来校者として訪れている

「今日はほんまに客扱いしてもろてええん?」
『うん今日は私たちがおもてなしする側だからね』

「そうなんや、なんや不思議やな」
遊佐が穏やかに笑う
紅海もつられて笑った

『せっかくだから、今日はゆっくり楽しんでいってよ』

「もちろん、そのつもりやで、紅海ちゃん」
その会話を横で聞いていた五条が、ひょいと顔を出した
「由布湯、紅海にばっかり構ってないで、僕にも構ってよ」
「五条さん……あんた構わんでも、絡んでくるやん?」
遊佐が五条を見る

「ひどくない?僕、そんなウザくないよ?」
「どの口が言うん」
「由布湯までそんなこと言う?遠慮しなくなったよね!?」

紅海が思わず吹き出した
『ふふっ』
「紅海、笑った?」
『だって二人とも……掛け合いが面白い』
五条が少しだけ口を尖らせる。
遊佐はそんな五条を見る
この人が、紅海ちゃんを大切に思っていることを、遊佐は知っている
そして五条もまた、遊佐が紅海ちゃんに向けている気持ちを知っている

だからといって、どちらかが相手を敵視することはない

「ほな、俺は先に中見てくるわ」
遊佐がそう言って、校舎へ向かう
「紅海ちゃん、あとでまたな」
『うん、遊佐くん、またね』
遊佐が歩いていく

紅海はその背中を見送ってから、隣の五条を見る
『じゃ、悟、そろそろ仕事してね?』
「今から、しようと思ってた」
『ほんと?』
「ほんとほんと」
そう言って、五条はいつものように笑った
「じゃ、行ってくるよ」
『宜しく!』

校門の向こうから、次々と人が入ってくる
学生も教師たちも笑顔で客を迎えていて

呪術高専にとって、この文化祭は――
 「普通の学校」であるための、一日だった
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