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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第45章 文化祭とオムライス


東京都立呪術高等専門学校
普段なら、一般人の姿などほとんど見かけない山間の校舎が、その日だけは少しばかり賑やかだった

校門には文化祭の看板
校舎へ続く道には、生徒たちが作った案内板や飾りつけ
聞こえてくるのは、笑い声と、どこか浮き足立った学生たちの声

今日は、文化祭だった

一般公開

それだけ聞けば、普通の学校行事だ
だが、この学校には普通の学校とは違う事情がある

呪術の存在は、世間に知られてはいけない
それは、たとえ生徒の家族であっても非術師なら同じだった

呪術高専の文化祭は、外部から人を招く数少ない行事のひとつだ
世間に一般的な学校としてアピールする機会でもある

もちろん、何も知らない一般人ばかりが来るわけではない
呪霊を見ることのできる「窓」もいる

普段は現場と高専を行き来している補助監督たちも、今日は入場者側
つまり――生徒たちが、普段お世話になっている大人たちをもてなす日でもある

だから今日、高専は徹底して「普通の学校」だった
呪霊の話も任務の話もしない
今日だけは、ただの教師と学生だ

『……なんか、変な感じだね』
校門近くに立った紅海が、ぽつりと呟いた
目の前を、家族連れが通っていく

「どうしたの?」
隣から五条が覗き込む
『だって、こんなに人が来ることないじゃない』
「まあね」
五条は校門の向こうを眺めた

「普段の高専なんて、人に見せられたもんじゃないし」
『それ、学校としてどうなの?』
「僕は好きだけど?」
『そういう問題じゃないよ』
紅海が苦笑する
その顔を見て、五条も笑った

遠くでは、生徒たちが受付の準備をしている
普段なら任務の連絡を受けたり、呪具を扱ったりしている場所も、今日は文化祭の案内所になっていた

「紅海ちゃん」
聞き慣れた声に、紅海が振り返る
『あ、遊佐くん!来てくれたんだ』
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