第43章 付添いと弁当
昨日の歓迎会を思い出す
教室に入ってきた灰原は、目を丸くしたあとすぐに笑った
「えっ、俺たちのためですか!?」
声が大きくて、少し離れていた七海がびくっとした
「灰原、声が大きい」
「だって嬉しいじゃないですか」
「……そうだけど」
七海はそう言いながら、用意されたものを見回していた
紅海は、あの時の二人の顔を思い出して、また笑う
『灰原くん、すごく喜んでくれてたよね』
「アイツ、絶対、何でも喜ぶだろ」
五条が言う
『でも、七海くんも嬉しそうだったよ』
「そう?」
『うん』
「紅海はよく見てるね」
夏油が笑う
「え?そっかなぁ?だって後輩だもん」
紅海は不思議そうに答えた
五条は机に肘をついて、窓の外を見る
「七海って、ああいうの苦手そうだよな」
「うん、真面目だからね」
「真面目っつーか、堅い」
五条と夏油の会話に入ってくる紅海
『悟が適当すぎるんだよ』
「じゃあ紅海が話しかけてやれば?」
『え、私??』
「うん、可愛い後輩なんだろ?」
『うん…』
微妙な表情…話しかけたいけれど…どうやって?みたいな
それに気付いて、硝子が紅海の背中を突っつく
「でた、紅海の変なところ距離置くやつ」
『だってぇ~…』
すかさず、夏油に矛先が向く
「じゃあ、傑、宜しく」
「なんで僕なんだ」
「俺、後輩と仲良くするの面倒くさいし」
「……君、本当に先輩になる気あるのか?」
「あるね、ただ、強い奴は強い奴らしくしてればいいんだよ」
あまりにも五条らしい理屈だった
夏油は一瞬黙ってから、ふっと笑う
「まあ、君らしいね」
「だろ?」
五条も笑った
その時
廊下から足音が近づいてきた
噂の彼らだ
「失礼します!」
灰原の声
五条が顔を上げる
「うるさ」
「すみません!」
「いや、謝るの早すぎ」
夏油が笑う
灰原の後ろから七海が顔を出した
「灰原…授業が始まる」
「あ、そうだった先輩方に挨拶しようと思ったのに!」
「ふは!面白いやつ」
五条が笑う
「あれ?五条さん、もう来てたんですね!」
「俺を何だと思ってんの?」
「いつもサボっていない人かと」
「お前、いい度胸してんな…」
「えっ」
灰原が固まる