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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第42章 影と幽霊


夕方の高専

「ありがとうございました!」
虎杖の声が、校庭に響いた

『うん、今日はここまでね』
紅海は額に浮いた汗を手の甲で拭った

今日は一年生三人との実技訓練だった
術式は使わない
純粋な身体能力だけの手合わせ

紅海も遠慮はしなかったが、生徒たちも以前とは比べものにならないほど動けるようになっている
「先生、またお願いします!」
『もちろん、次はもうちょっと厳しめにしよっか』

「えっ」
野薔薇が嫌そうな顔をする
「今より?」
『うん』
「……鬼」

「まぁ、実際、座学よりも実技や任務で能力は上がるからな、厳しくして貰った方が…」
伏黒が呆れたように言ったが
釘崎は首を振る

「じゃ、シャワー浴びて飯行こうぜ!紅海先生も!」
お構いなしに虎杖の一言で、周りの雰囲気が変わる

食堂で待ち合わせをして
夕食を済ませながら、他愛のない話をしていた
やがて虎杖が、ふと思い出したように口を開く

「そういや俺さ、前の学校でオカルト研究会入ってたんだよね」
「あ~、そう言えば、そう言ってたっけ?」
野薔薇が箸を動かしながら答える

「オカルト研究会だったから、伏黒たちとも出会ったわけじゃん?」
「まあ……そうだな」
伏黒が答える

『そう考えると、不思議な縁だねぇ』
紅海が笑った

「でしょ?」
虎杖は嬉しそうに頷いた
そして
「あ、そういえば!」
その顔が、妙に楽しそうになる。
紅海の手が止まった。
「オカルト研究会でさ、ちょっと変な話があったんだけど――」
「何よ」
野薔薇が食いつく
伏黒も何となく聞いている

『……』
紅海だけが、嫌な予感を覚えた

「夜の学校って、誰もいないはずなのに――」
『……』
「廊下の奥から、足音が聞こえるんだって」
「ありがちね」
「でもさ、足音が一人分じゃないんだよ」
「……へぇ」
野薔薇の声が少し低くなる
紅海は黙々と味噌汁を飲んだ

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