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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第40章 母と姉


強い者と弱い者
呪術師と、非術師
五条にとって、それらは残酷なほど明確だ

そして自分は、その頂点にいる…だからこそ
「あとさ」

五条が起き上がり紅海を見る

「自分の力をちゃんと使える相手って、そんなにいないんだよ」
それは自慢をしている感じではなく
事実を述べているだけだった

「だから、本気で来られると面白い」

紅海は、自分の事を指差した
『……じゃあ、私との手合わせも?』
「うん、楽しかったよ」

そう言われると、嬉しい…
『そっか』
「紅海って、戦ってる時、のびのびとしてた…紅海ってこんなに動けるんだって、思ったし…次どんな動きするのかワクワクした」

『なんか、照れるよ…』
一口お茶を飲む…

「後は、あの時の紅海は良かった」
『……何が?』
「ちゃんと僕に感情ぶつけてくれてた」
紅海の表情が止まる

五条は気にせず続ける
「普段の紅海って、すぐ自分の中で処理するだろ?…嫌だったことも、傷ついたことも」
『……』
「でも、あの時は違った」
五条は紅海を見る
「僕にぶつけてきた感覚」
一瞬だけ、紅海の胸が詰まる

「僕は、ああいう方が好きだけどね」
『……そう?』
「うん…人間らしいなって」
五条は何でもないことのように言う

そして、また笑った

『……やっぱり、悟って面白い』
「ひどくない?」
『でも……』
紅海は小さく笑った
『なんとなく、分かった気がする』
「何が?」
『悟が戦ってる時、楽しそうな理由』
…強いから、じゃなくて』

紅海は少し考えてから言った

『自分を偽ったり隠さなくていいから、なのかなって』
自分の能力、普段抑えているものを、ようやく全開にできる解放感に近いのだろうか

五条の笑顔が、一瞬だけ止まった


「……さあ?どうだろうね?紅海って変なところ鋭いよね」
いつもの軽い笑いに戻る
『えー?』
「褒めてる褒めてる」
『絶対褒めてない』
「バレた?」
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