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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第40章 母と姉


『ねぇ、悟ってさ』
「んー?」

『戦ってる時、楽しそうにしてるよね』
五条が顔を向ける

「……」
数秒の沈黙
「おいおい、人をサイヤ人みたいに言わないでくれる?」

『だって、本当に楽しそうなんだもん』
「僕、そんなに戦闘狂に見える?」

『ちょっとだけ』
即答だった

「傷つくなぁ…」
口ではそう言いながら、五条は笑っている

紅海も小さく笑った
『だって、この間の手合わせの時もそうだった』

「交流会のエキシビション?」
『うん』

あの日
自分が知らされていなかった虎杖の事実に
余計な心配をさせないためだと、そう思われたことが、紅海には思った以上に堪えた

だから、自分がどこまで五条と対等に戦えるのか確かめたくて
そして、五条に認めて貰いたくて

術式を使わず、呪力強化だけ
互いに手加減なし

あの一戦を申し込んだ

『実はね、私、あの時すごく楽しかったんだよ』
「うん」
五条は覚えている
紅海が、いつもの柔らかな顔ではなくなっていた
ただ一人の術師だった

「僕も楽しかったよ」
あっさりと言った

紅海が目を瞬く
『やっぱり?』
「うん」
五条は縁側に寝転がる
「だって紅海、本気だっただろ?」
『……本気じゃなきゃ、悟に勝てないでしょ』

「いや、僕に勝てると思ってたの?」
『思ってないよ…でも、一発くらい当てたいとは思ってた』
「だろうね?」
五条は笑う


「戦ってる時ってさ、余計なこと考えなくていいんだよね」
『余計なこと?』

「うん…相手が何考えてるとか、どういう奴なのかとか…普段はいろいろあるじゃん」

空に手を向けて指先を軽く動かす

「でも戦ってる時は、呪力の流れとか、身体の動きとか、次に何してくるかとか…そういうのだけ見てればいい」
紅海は寝転がる五条の話を静かに聞いていた


「嘘ついてる奴も、格好つけてる奴も、強がってる奴も戦ってれば関係ない」
五条が笑う

『……物騒だなぁ』
「呪術師なんだから、そこは仕方ないでしょ」
軽い口調…けれど、その奥には五条悟らしい割り切りがあった

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