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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第36章 お見合いとデート



その距離感が二人にはちょうど良かった
また並んで歩く

夕暮れが少しずつ近付き、街の灯りが点き始める
五条は腕時計へ目を落とした
思ったより時間が経っている

今日は朝から、ずっと外出していて
普通なら、そろそろ高専へ戻ってもいい頃だった

でも、後は帰って夕飯を食べて…それだけの一日になるくらいなら
もう少し、このままでもいいか…そんな考えが、ふと浮かぶ

理由は考えない、考え始めると面倒だ
ただ、今日はそういう気分だったと言うだけ

「この後さ」
紅海が顔を上げて五条を見る
「飯でも食べて帰ろうか」

その一言に、紅海が笑った
『行く!』
勢いよく返事をしてから、はっと口を押さえる
『……あ』
頬が少し赤くなる
『ご、ごめん…』
「何が?」
『なんか……元気良く即答しちゃった』
五条は思わず笑う
「そんな嬉しかった?」
紅海は照れくさそうに笑いながら、小さく頷いた
『うん…』

その返事は飾り気がなかった
だからこそ、五条は少しだけ目を細める

……そういうとこ…思ったことが、そのまま顔に出る
嘘が下手で、隠し事も苦手で
嬉しい時は、本当に嬉しそうに笑う

「じゃ、決まり!何食べる?」
『うーん……』
紅海は真剣に考え始めた

ラーメン、定食、洋食

頭の中で一つひとつ並べているのが、表情だけで何となく分かる
その様子が少し面白くて、五条は笑いを堪えながら歩く

休日の街は、恋人たちで溢れていた
腕を組む二人や手を繋ぐ二人

そんな人たちの間を、五条と紅海も肩を並べて歩いていく
周囲から見れば、二人も同じように見えるのだろう

ちょっと、五条は気付いていた
でも何も言わない…紅海も気付かない
そんなことを考える余裕もなく、今夜の夕飯を真剣に悩んでいる
その横顔を見ながら、五条は静かに思う

……こういう休日も、悪くない
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