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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第35章 外出と神社


そこまで聞いて
五条がようやく口を開いた

「紅海」
『ん?』

「その人」
『うん?』

「会う気あるの?」
その問いは妙に真っ直ぐだった
茶化しも笑いもない
紅海は首を傾げる

『うーん……』

少し考えてから
『正直、あんまり…でも、一回くらい会わないと、お祖母ちゃん納得しないかなぁって』

「ふーん」

五条は、それ以上は聞かない

「写真とか見た?」
『見てない』

「相手のことは?」
『何にも知らない』

「年齢も?」
『知らない』

「仕事は?」
『知らない』
自分で答えてて、紅海は肩を落とす
『知らない人と二人きりって苦手なんだよね…任務なら平気なのに』

「それはまた別でしょう」
七海が静かに言う

『うん、別』
五条は黙ったまま、お好み焼きを一口食べる
旨い…でも、意識は別のところへ向いていた

──会うのに、気分がのらない
その言葉に少しだけ肩の力が抜けた

けれど一度会えば、何があるか分からない

祖母が勧めるくらいだ
相応の家柄か、人柄か
少なくとも、紅海の将来を考えて連れてくる相手なのだろう

そんな考えが頭をよぎる
だからといって
"行くな"…そう言う資格は、自分にはない

告白も、約束も何もしていない
自分は勝手に好きでいるだけだ

だから止める理由がない

それでも
「変な格好って…」
五条が不意に笑う
「いつものジャージで行けば?」

『えぇ!?』
「相手の反応見られるじゃん」

『お祖母ちゃんに怒られるよ!』
「それなら僕がコーディネートしてあげよっか」
『もっと信用できない!』
紅海が即座に返す

七海は思わず小さく息を漏らした。
「それは私も同感です」

笑いが広がる
五条もいつもの調子だった

けれど、その笑顔の奥では
"お見合い"という言葉だけが、小さな棘のように残っていた

しかし、その感情に名前を付けるほど、五条悟はまだ素直ではなかった。

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