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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第35章 外出と神社


紅海は少し安心する
この二人の距離感は昔から変わらない

校門をくぐる
結界を抜ける感覚が肌を撫でた

高専の空気は、どこか神社にも似ている
七海はそこで立ち止まった
監視対象を無事に送り届けた…任務完了だ

「では…」
そう言って帰ろうとした時

紅海が振り返る
『ね?七海!』

七海が足を止める

『もし疲れてなかったら、一緒にご飯食べよ?うち上がってってよ』

沈黙が落ちた
五条も七海も少しだけ止まる

紅海だけが自然体だ
本当に思いつきで言ったのが分かる

七海は一瞬だけ視線を逸らした
だが、断る理由はない

横から声が飛ぶ
「えー?」
目隠しをしている五条だ…
「僕いるんだけど?僕は?」

『ふふっ…いるね』
「だよね?いるよね??」

『うん、だっているじゃん』
クスクスと紅海が笑う

「紅海ちゃん、冷たくなーい?」
意味が解らず紅海は首を傾げる

「私は構いません」
七海が答える後ろで、わざとウロウロとする五条
『本当?』
「ええ」
少しだけ七海の表情が柔らかくなる
その様子を見て紅海も嬉しそうに笑った

『良かった!じゃあ今日は三人で夕食だね』
「ちょ、待って」
五条が口を挟む

『なに?』
「元々、僕、入ってたの?」

『え?だって、悟も来るでしょ?』
今度は五条が黙った
当然のように来る前提で言われたからだ

断るという選択肢が最初から存在していない
そして紅海は悪気がない
七海はそのやり取りを見て少しだけ笑いそうになる

五条は肩をすくめた
「ま、いっか…じゃ、夕飯、混ぜてもーらおっと」

三人は並んで宿舎へ向かう
夕暮れの高専

前を歩く紅海は、今日あったことを楽しそうに話していた

祖母のことや、神社のこと
売れ残りのお守りのこと
その声を聞きながら
七海は静かに歩く

そして五条は、その少し後ろで聞いていた
今日の紅海は、ここ最近で一番よく笑っている

それだけは分かった
だから何も言わなかった

ただ、いつも通りの顔で歩いていた
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