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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第35章 外出と神社


「家に帰ってこいと言ったのはね」
『うん?』
「お前にお見合いの話が来ていてね。」
『はぁっ!?!?』

神社中に響きそうな声だった
浅葱は平然としている

『え、ちょ、待って待って待って』
「待たないよ」

『いや待って!?』
混乱している
完全に混乱している

お見合い?何で?誰と?いつ?
頭の中で疑問符が暴れ回る

浅葱はお茶を飲み、実に落ち着いている
「もうそろそろ身を固めてもいいんじゃないかと思ってね」
『いやいやいやいや!』
紅海は、身体を使い全力で拒否する

「あんた、今、いい人もいないだろ?」
『いないけど……困るよ…』

「お前の母親なんか、高専卒業して間もなく結婚したよ?」
『それはお母さんでしょ!?』

「そうだね」
『私は私だよ!』

浅葱はふう、と息を吐いた
「そういうところ、全然似てないねぇ」
『似なくていいと思うんだけど!?』

紅海は頭を抱えた

そもそも、結婚とか恋愛とか
そういうものを考えている余裕もなかった

術師になって…教師になって
任務に追われて
気付けば28歳である。

『いや、本当に無理無理無理』
「何が無理なんだい」

『全部!!』
駄々をこねる子供のように…

浅葱は少しだけ目を細める
「全部、ねぇ…」

その声音は穏やかだったがどこか探るようでもあった
「本当に誰もいないのかい?」
『いないよ』

「そうかい」
『うん』
紅海は迷わず答える

本当にそう思っているからだ
浅葱はそんな孫を見て、小さく苦笑した

――この子は昔からそうだ
人の気持ちには敏い
なのに、自分が向けられる好意には驚くほど鈍い

だから祖母としては少し心配になる

「とにかく、今度、日程を伝えるから、休みを取りなさい」
『うーん……はい、解りました…』
紅海は祖母には弱い
『でも、結婚は別だよ!会うだけだからね!』
「はいはい、とにかく綺麗な服装してくるんだよ?」
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