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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第35章 外出と神社


紅海の実家の神社で

2年に進級する前の春休み自分と、灰原
そして、夏油と家入

合宿という名目だったが、どちらかと言えば小旅行だった

境内で術式訓練をして
夕方にはバーベキューをした

灰原がずっと騒いでいた
夏油が焼き係をして
家入が適当に肉を摘まんでいた

そして――
『悟、忙しくてバーベキューの時だけ来たんだよね~』
紅海が懐かしそうに笑う

『ホントにバーベキューと季節外れの花火だけで、泊まらずに帰っちゃったっけ』
「そうでしたね」
七海も思い出す

夕方、自分が主役のように突然、現れた先輩…
「ちゃんと、俺の肉、残してる?」
と、第一声がそれだった

一通り満足した彼は「明日も朝から任務だから」と颯爽と帰っていく
その時、紅海が見送っていた姿も覚えている

今思えば、あの頃から、この人は五条さんをよく見ていた
誰より強い人間の、誰も見ない部分も一緒に…

『懐かしいなぁ……』
少しだけ、柔らかい顔だった

「……」
七海は何も言わず、ただ、その横顔を見ている

今日は、監視役
それ以上でも以下でもない
そう自分に言い聞かせる

もうすぐ、神社に着く
石段を上りきると、見慣れた鳥居が視界に入った

古い木々に囲まれた神社
風が吹くたび、葉擦れの音が静かに頭上で鳴る

高専とどこか似ている
外界から少しだけ切り離されたような空気

紅海は小さく息を吸った
『……ただいま~』
社務所の方へ声を掛ける

しばらくして、障子が開いた
「おかえり」
浅葱が顔を出す

以前と変わらない。
穏やかな目…その目が紅海の後ろへ移った瞬間

「……おや」
七海へ視線が止まる
そして、さらりと言った

「もしかして、五条の息子から乗り換えたのか?」
『っな!?』

紅海の顔が一瞬で赤くなる

『な、何が!!』
「何がって、男を連れて帰ってきたから、そういうことかと思ったんだが…」
浅葱は真顔だ

『違うよ!!』
神社の静寂を破る勢いで否定する

一方
七海は、わずかに目を瞬いた

……今、何と言った?

五条の息子から乗り換え?
頭の中で言葉が並ぶ

つまり
少なくとも、この祖母の認識では
五条と紅海は、そういう関係として見えている
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