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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第35章 外出と神社


トレーを置くと、紅海は立ち上がる
『じゃ、また食べ終わったら回収するね?ごゆっくり』
「え…」

五条が顔を上げた
「帰んの?」
『え?』

「いや……なんでもない」
肩を竦め、箸を取る

紅海は小さく首を傾げた…一人の方が楽かなって思ったんどけど…
寂しいのかな…そのままソファの端に腰を下ろす

五条も特に何も言わない
静かな時間が流れる

味噌汁、肉じゃが…一口ずつ

「あ…」
『ん?』

「美味い」
『本当?』

「うん」
五条はもう一口食べる
「じゃがいも、ちゃんと味染みてるし」
『ふふっ…良かった』

その笑顔を見て、五条は満足する
何でもないことで、嬉しそうに笑う
こういう顔をするから、ほんと困る

しばらくして、食べ終わる頃
紅海がぽつりと口を開いた
『あのね』
「んー?」

『お祖母ちゃんが、一度帰ってこいって言ってて……』

五条の箸が止まる
『お祖母ちゃんって勘の良い人だから……
様子がおかしいのに気付いてるかもしれないんだけどね?』

「……そっか」

浅葱なら、気付いていてもおかしくない…そういう人だ
紅海は少し言いにくそうに続ける
『で……悟、最近、一段と忙しいでしょ?』
「……」

『で、たまたま七海に会ったから、外出一緒にしてくれないかお願いしたら、OKもらって……』

そこで、一度息を吸う
『今週末、外出してくるね?』

静かになった
五条は空になった味噌汁の椀を見つめている

表情は変わらないが、返事が少し遅れた

「そっか」
いつもの軽い調子だ
「七海と二人で?」

『うん』

少しの沈黙に紅海は少しだけ首を傾げる
『ごめん……ダメだった?』
「いや謝ることじゃない
ルール上、全然問題ないしね」

それは事実だ

七海は一級術師だ、監視役としての資格もある
何も問題ない

「……良いんじゃない?」
そう言って、五条は椀をテーブルへ置く
その横顔を、紅海は見ていた

なんだろう
怒っているわけではない
困っているわけでもない

でも、少しだけ
ほんの少しだけ
気分が下がったような気がした

『悟?』
「ん?」

『ちょっと疲れてる?』
思わず聞いていた
五条は一瞬だけ目を見開く

それから、ふっと笑った
「何それ」
『いや……なんか……』

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