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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第35章 外出と神社




真希がちらりと横を見る
「どっか悪い?」

『え?……あ、いや……』

足が止まりそうになる
意外だった
胸の奥がじんわりと温かくなる
見てくれていたんだ…自分でも気付かないくらいの変化を


生徒は案外、教師を見ている
特に真希は、人の機微に敏い
もちろん、監視下に置かれていることは話せない
上層部からも、生徒への公表は避けるよう言われている

だから紅海は笑った
『ありがと…元気だよ!ちょっと働きすぎって言われて、セーブしてるだけ』

「……ふぅん」

真希はじっと顔を見る
嘘を見抜こうとしているというより、本当に大丈夫か確認している目だった

「なら、いいか」

そう言って前を向く

そして
「あ、そういや」
『うん?』

「パンダがさ、紅海ちゃんが出掛ける時、悟と一緒の時をよく見かけるって言ってた」

来た!これはもしや、野薔薇と同じ流れだ
きっと、付き合ってるのか?とか勘違いしている
頭の中で様々な予想が駆け巡る

…が、真希は真顔で言った
「もしかして、悟のバカに弱み握られてんのか?」
えー!?
『ないないない!!』

思わず全力で否定した
夕暮れの校舎に声が響いた

真希が少し目を瞬かせる

「違うの?」
『違うよ!』

「じゃあ、借金?」
『なんでそうなるの!?』

真希は腕を組む…本気で考えている
「だって、あの悟だぞ?」
『うん』

「アイツが頻繁に誰かと一緒に外出するなんて、基本ろくな理由じゃない」
『その信用のなさ、すごいね!?』
「事実だろ」

紅海は何も言い返せない
「でも、まぁ…何か面倒事に巻き込まれてんじゃないかと思った」
その声は淡々としていたが、どこか心配が滲んでいる


『心配してくれたんだ…ありがと』

真希が少しだけ恥ずかしそうな気まずそうな顔をした
「……別に」

『ふふっ…ありがと、真希ちゃん。』

夕陽の中
真希は頭を掻いた
「……何もないならいい…けど、何かあったら言えよ」

最近、自分は一人で抱え込むことばかり考えていた

でも、硝子も、七海も
そして生徒たちまで

思っていた以上に、自分を見てくれている
胸が少しだけ熱くなる

『……うん、ありがとう』

真希は照れ隠しのように顔を背けた

夕暮れの帰り道
二人の影が長く伸びていた
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