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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第35章 外出と神社



『そーなの!』
途端に紅海が少し困った顔になる

『悟って忙しいから、申し訳なくって……結局、外出したいけど頼めないなぁって、思っちゃって……』

七海は内心で、ああ、やはりと思った
この人は、こういう人だ

自分の不自由より、相手の負担を先に考える
だから抱え込む

自分も一級術師だ…一緒に付き添っても良いのだが…
自分からは言いづらいものがある

紅海は硝子の言葉を思いだし、少し視線を泳がせた
それから、意を決したように顔を上げる
『ね?』
「はい?」

『七海って、週末って空いてる?頼みたいことがあると言うか、なんと言うか』

一瞬、時間が止まったような気がした

七海の表情は変わらない
変わらないが、心臓だけが、ひどく不意を突かれた
まさか本当に聞かれるとは思わなかった

さっきまで、申し訳ないと言っていた彼女が、自分を頼っているのか?

そんなことを考えながらも、七海は表情に出さない
この長年のポーカーフェイスは、こういう時に役立つ

「……空いていますが」
『ほんと!?』
ぱっと表情が明るくなる

その顔を見て、七海は少しだけ目を細めた
本当にこの人は
こんな事だけで、嬉しそうな顔をして…

「何かご用ですか?」
『あのね、買い物付き合って欲しいの…あと、お祖母ちゃんの所に顔出したいなぁって思ってて……
もちろん、無理なら全然いいんだけど!』
遠慮がちに付け足す

七海は軽く息を吸い
「……分かりました付き合います」
『本当に!?』
「ええ」
紅海が、ホッとしたように笑った
その笑顔を見て、七海は不思議と嬉しくなった


その後…授業を終え、紅海は職員室の机に向かい、生徒たちの提出したプリントを一枚ずつ確認していく

一人ひとりコメントをつけていく…そういう時間が案外好きだった

最後の一枚に目を通し終えると、今度は明日の任務予定を確認し帰宅の用意をする

鞄を肩に掛け、校舎を出る

「紅海ちゃーん」
振り返る

禪院真希が、こちらへ歩いてくる
『真希ちゃん』
「帰り?」

『うん』
真希としばらく二人で歩く
沈黙が苦にならないのは、真希の良いところだ


ふと
「最近さ」
『ん?』

「紅海ちゃん、任務も結構サクッとしてるし…こっちに住み始めてから、あんまり外出するの見かけない気がする」
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