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【第五人格】灰色の世界を抜けて

第2章 II


「…どういうことですか、さん」

『あ、ジ…ジャック、違くてっ、これはっ!!』

仮面の下の顔に鋭く睨まれる。

何も言えなくなり、唇を噛み締めて泣くのを我慢する。

「ほら、が怖がっているじゃないか、ジャック。大丈夫だよ、。」

ジョゼフがの頭をそっと撫で、額に口付けしようとした瞬間、後ろから強く抱き寄せられる。

「辞めろ」

ジャックが今まで聞いたことがないような低い声で言う。ジョゼフが少したじろぎ、一歩引いた。

「おいで、マイディア。」

マリーが、をジャックから少し離すように軽く抱き寄せる。その後、ふたりを睨むように一瞥をくれての手を引く。

「今日は解散にしましょう。さん、私の部屋でお菓子食べ直しましょうね。」

少しジャックを気にかけるように振り返ろうとするが、マリーに軽く制止される。

そのまま庭園を後にする。

背後からは物音一つ聞こえない。ただ、マリーが、私が後ろを向けないように肩を抱き寄せている。

「怖かったでしょう、さん。あの二人には、後で私から言っておくわ。」

『……怖かった…というより…』

ジャックに浮気や裏切りと勘違いされるのが怖かった。

それを上手く言葉に出来ず、涙が出てしまう。

「泣かないで……大丈夫、私のお部屋には美味しいお茶もお菓子もあるから。泊まって行ってもいいのよ?」

軽く身を寄せられ、優しく撫でられる。ジョゼフにされたものとは全く別の、保護者のような触れ方だ。

『マリーさんって私の事どういう目線で見てるの?』

「どういう目線…?うーん、そうね……。小さな子?」

『私、成人してるのに?』

「それでもよ。貴女は私達に守られるべき子。」

そう綺麗な顔で微笑まれてしまうと、何も言えない。

無言で頷き、後ろをついていく。

マリーの部屋に向かう道中、美智子に出会った。


「あら美智子。丁度いいわ、今から私とでお茶会なの。貴女も来ない?」

「いいの?じゃぁ、お邪魔しようかなぁ」

美智子がこちらに許可を求めるように見てくる。

『マリーの部屋、美味しいお菓子あるってよ!』

「まぁ、楽しみだわぁ」
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