第4章 IV
「…まずは、なぜ外に出たのか教えてください」
『……ジャックがサングリアさんと話してて、嫌で…』
「嫌なら言えば良かったでしょう」
少し言うか悩んでから口を開く。
『私なんて居なくても平気かなって思ったの』
「……は?」
『私が居なくたってジャックは色んな人と話してるしっ、私はジャックに面倒見てもらってばかりだけど…ジャックは自分で自分の面倒見られるし』
「…」
『いる意味が、分からなくなっちゃって』
鼻の奥がツンと痛くなる。目を合わせないように、下を向きながら話す。
「それ、本気で言ってるんですか?」
ジャックが立ち上がり、私の肩を掴んでくる。
「私が、貴女をどれほど必要としているか分からないんですか?どれほど愛しているかも伝わっていないんですか?」
『いやっ、愛されてるのはわかるけど、別に居なくても…』
「居なくてもいいわけないでしょう?」
ため息を着いて座る。
「他は」
『…?』
「他になにか不安な事、不満な事はないんですか」
いきなり言われたって思いつくわけがない。
『…無い』
「そうですか。」
彼は立ち上がると、私の頭にぽんと手を乗せた。
「今すぐには出てこなくても、今後出てきたりしたら遠慮無く話してください。それで私が貴女を嫌いになったり、怒ったり、非難したりすることはありませんから」
『うん…』
「よし。」
そのまま雑に頭を撫でた後開放される。
「今回はこれ以上話す事はありません。」
少し間を空けた後言葉を続ける。
「身体に障ってはいけない。しばらくの間はゆっくりしていてください」
『わかった』
ここからしばらく、ジャックと二人で話した。
他愛のない話だったが、こうやってのんびり二人で話すのは久々だった気がする。
「……おや、話し込んでいたらもう夕方ですね」
雪で電気を付けているので気が付かなかったが、かなり暗くなっている。
『お昼ご飯食べてないね』
「お腹空きましたか?」
『ちょっとだけ空いてきたかも?』
「時間的に今は無いので……」
吊戸棚からクッキーを取り出す。
「これで少しの間我慢できますか?」
『やったー!できる!』
ふわりと微笑んで皿にクッキーを取り分けてくれる。
小さな御茶会が始まった。