第2章 II
午後。
ジャックは試合に行ってしまった。
観戦も出来るが、今日はそんな気分じゃない。何より、私の嫌いなライリーが居る。顔も見たくない。
「、ジャックの試合観戦には行かないのかい?」
ジョゼフが隣に腰掛けてくる。
『今日弁護士いる。顔見たくない。』
「あぁそうか、君は彼が嫌いだったか。じゃあ、試合の間私とお茶でもするかい?」
『え、する!』
おいで、と手を差し出される。
日本人の私には少し慣れないが、彼らにとっては当たり前のエスコートなのだろう。
手を置いてみると、ジョゼフが優しく微笑み、そのまま引いてくれる。
『庭園に行く?あ、その前にね、この間マリーに紅茶を貰ったの。茶葉持っていきたいな』
「いいのかい?ならば私は茶菓子を持ってくるよ。」
『ジョゼフの手作りクッキーある!?』
「残念だが、今日は焼いていないんだ。後日、またクッキーを焼いたら誘うよ」
『やったー!』
の大袈裟な喜びを、ジョゼフが穏やかな表情で見守る。
「…あら、さん。ジョゼフさんと御一緒?」
振り返ると、マリーがにこやかな笑みを浮かべて立っていた。
『マリーさん!うん、今ジョゼフと一緒なの』
はマリーに駆け寄り、挨拶がわりのハグをする。
彼女はの手に握られた茶葉を見て笑みを深める。
「今からお茶会?私も御一緒していいかしら?」
『えっ!勿論!ね、ジョゼフ、いいでしょ?』
ジョゼフが一瞬つまらなそうな顔をしたが、すぐに表情を取り繕う。
「あぁ、勿論。行こうか、レディ達。」
マリーがの手を握る。も特に違和感を覚えず、大人しく握り返す。
「…ねぇ、私とは…?」
少し拗ねた様子のジョゼフがこちらへ手を差し出してくる。
『えぇ…?』
「さん、繋がなくていいわよ。行きましょう。」
後ろから軽く舌打ちが聞こえてきたが、マリーにグイグイと手を引かれる。
あまり平和とは呼べなさそうなお茶会が始まりそうだ。