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【第五人格】灰色の世界を抜けて

第4章 IV


翌朝。

息苦しさに目を開けると、ジャックに強く抱きしめられていた。爪が少し食い込んでくる。

「………」

私の名前を呼んでいる。

『ジャック』

苦しくなり、ポンポンと背中を叩いてみる。

『ねぇ、ジャック起きて』

彼がようやく目を覚まし、しばらく目が合う。

『おはよう、ジャック』

「さん…」

『いるよ、大丈夫』

背中を撫でてやると、少しずつ落ち着いてきたようだ。

『大丈夫?』

「はい。ありがとうございます」

起き上がり、真っ直ぐと見つめられる。

「…食事をとってから話し合いましょうか」

そっと頭に手を乗せられる。

「……今度はしっかり待っていてくださいね」

不安げに振り向いた後、すぐに歩いていく。

私もしっかり起き上がり、伸びをしてからカーテンを開ける。

吹雪は止んだが、雪がまだ降っている。

窓を開け、雪に触れる。

雪は、昔は嫌いだったけれど、帰る場所がある今は好きだ。

…外に出たいけど、また出たら怒られちゃうかな?

ご飯を食べ終わって、話し合いが終わったら遊ぼう。

そんなことを考えているとジャックが戻ってきた。

「…さん、何をしているんですか」

『雪見てた』

彼は少し安心したように肩の力を抜いた。

心配させてしまったらしい。

「閉めてください」

『はーい』

窓を閉め、テーブルの前に座る。

今日の朝食はポーチドエッグとソーセージだ。

「どうぞ」

彼がソーセージを私の皿に移す。

『……ジャックってさ、いつも私にご飯渡してばかりであんまり食べないよね。大丈夫なの?』

彼は少し考えるように、顎に手を当て上を向く。

「…私は大丈夫です。」

俯きながらそれだけ言うと手を合わせて食べ始める。

『あ、いただきます』

自分も慌てて食べ始める。

そういえば、私はあまりジャックのことをよく知らない。どこで生まれ育ったのか、何を考えて生きているのか。

ジャックの方を少し見ると、目が合う。

少し気まずくなり、ふいと目を逸らして食べるのを再開する。けれど、ずっと視線を感じる。

『…ジャック、なんでそんなに見てくるの』

「…可愛らしくて」

それだけ言い、また食べ始める。


その言葉が本心なことは、が一番分かっていた。
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