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【第五人格】灰色の世界を抜けて

第3章 III


ジャックは、震える身体で必死にを抱きしめる。

ここまで取り乱したジャックを見るのは初めてだ。

「さん…どうして…何処に行っていたんですか……」

絞り出すような声で聞かれる。

「離れろ、ジャック。」

アルヴァがジャックをから離そうと手を伸ばす。

「触るな」

ジャックはを抱き抱え、アルヴァから距離を取る。

「私から、を奪わないでください……」

アルヴァがため息を着く。

「、お前はどうしたい」

『どう…?』

「距離を取りたいのか、それとも話し合いたいのか。どちらだ」

ジャックの腕の力が、少し強くなる。

…元はと言えば、私が勝手に逃げ出したんだ。ジャックの話も、何も聞かずに。

『…話し合いたい』

向き合う勇気が必要だ。

「そうか。ならば、今日は帰れ。これは予備のカイロだ」

新品のカイロを沢山渡される。

『え、悪いよ』

「いや、いい。私はもう使わない。貰ってくれ」

あまりに悲しそうな顔で言うので、思わず頷いて受け取る。

「動けるか?」

心配そうな顔でアルヴァに聞かれる。

『歩くくらいなら多分平気……』

「何かあったんですか」

ジャックがの顔を両手で包み、不安そうな表情を隠さずに聞く。

「昨晩、雪の中で数時間倒れていた。様子を見てやってくれ」

ジャックだけでなく、横で様子を見ていた范無咎も驚いたように目を丸くした。

「何故!?」

「それは部屋で聞け。」

ふわっとジャックに抱き上げられる。端で静かに話を聞いていた范無咎が壁から身体を離す。

急いでアルヴァの方を向く。

『アルヴァ、助けてくれてありがとう!助かった!』

彼は頷き、手を軽く振る。

「…じゃあな、。」

ドアがパタンと閉まる。

「……部屋に戻ったら、話を聞かせてもらいますからね」
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