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【第五人格】灰色の世界を抜けて

第3章 III


昼食を食べながら外を見てみる。

さっきまでは雪だったのに、今は少し吹雪いてきている。

『…すごい吹雪…』

今日の食事はシチューグラタンとポタージュだ。温かいグラタンが、身体を芯からぽかぽかにしてくれる。



食事を終え、手を合わせる。

さっきよりは動けるようになった。身体が温まったおかげだろう。

しかし、あまりうろちょろできるほどの体力はまだ無い。

一旦食器を置き、ベッドに横になる。

「食べ終わったか」

アルヴァが、いつの間にか音もなく帰ってきていた。

『ぅわっ、おかえり』

「驚かせたか?すまない」

彼は上着を脱ぎ、玄関脇のコートハンガーに掛けた。

『ごめん、今食器片付ける元気が無くて』

がそう言うと、アルヴァが食器をトレイに乗せる。

「構わん。戻してくるから休んでいろ」


少し待つと、また部屋に戻ってきた。

『おかえり』

「ただいま。」

静かにベッドの端に腰掛ける。

「体調はどうなんだ」

額に手を当て、また体温を確認される。

『動けないけど元気だよ』

「そうか」

カバンから何かを取り出し、差し出してくる。

「カイロだ。少しでも温かくした方が良いだろう」

少し振った後、手渡してくれる。

『ありがとう…暖かいね』

部屋に静寂が訪れる。不思議と心地悪くは無い。

しばらくゆっくりしていると、だんだん瞼が重くなってくる。

ほぼ眠っていると、部屋の外がいきなり騒がしくなってきた。

「騒がしいな…」

ドンドンと強く扉がノックされる。

「なんだ」

「范無咎だ。を見なかったか?」

アルヴァがの方を向く。

『…いるよ』

ヨロヨロと立ち上がり、ドアに手をかける。

その間、アルヴァが腰に手を添えて支えてくれる。

『なに、范無咎……』

後ろに、ジャックが立っていた。

思わず後退る。呼吸が浅くなる。

彼はの姿を見た瞬間、范無咎を押し退けて、目の前に崩れ落ちた。

「さん……!!」

強く抱き締められる。

彼は酷く震えていた。
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