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【第五人格】灰色の世界を抜けて

第3章 III


__暖かい。

目を開けてみると、そこはベッドの上だった。

どうして?私は、ジャックの部屋から外に出て行ったはずなのに。


「起きたか」

声の方向へ顔を向けると、隠者が居た。

『あ……えっと…ロレンツ、さん?』

「アルヴァで良い。」

コツ、コツと足音を立てて近づいてくる。

起き上がろうとするが、身体に上手く力が入らない。

「無理はしなくていい。恐らく低体温症だろう」

『ごめんなさい……えっと、どうして見つけられたの…?』

アルヴァがの額に手を当て、体温を確認する。

「休憩をしようと窓の外を見たら違和感があってな。確認しに行ったらお前がいた」

『わざわざ運んでくれたの?』

「あぁ。あそこで倒れているのを放置して死なれてしまったら困るからな」

電気ポットが、お湯が沸いた事を知らせる。

「ココアでも飲むか?」

『あっ、いいの?飲みたい』

彼は静かに頷くと、キッチンへと消えていった。

周りを見回すと、机の上にはよく分からないものの部品が、横には用途の分からない機械が並べてある。

「持ってきたぞ。……起き上がれるか?」

『わかんない』

起き上がろうとするが、やはり力が入らない。

「…はぁ」

アルヴァがを抱き上げ、膝に座らせる。

『えっ?』

「これで飲めるか?」

コップを渡される。

『あ、ありがとう……?』

コップを受け取り、一口飲む。

体内にじんわりと温かさが広がっていく。

「…美味いか?」

窓の外を眺めながら聞いてくる。彼の手はを支えるように、しっかりと腰に回されている。

『美味しい。ありがとう』

「礼は要らん」

じっと窓の外を見つめ続けている。

『外に何かあるの?』

「さぁな。何があるか分からないから見ているんだ」

『…ふむ?』


しばらく間が空いた後、アルヴァが問い掛けてくる。


「お前、ジャックはどうした」
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