ぐうたらの私が異世界で帽子屋(マッドハッター)になる
第21章 第二十一話
こうして私たちは、無事にファフニールに入国できた。
その、最初の町でお別れが待っていた。
「ミアロスまではここからさらに南に行きます。私たちはここでお別れです」
と、レイチェルさんは言った。
「ミアロスまではいらっしゃらないんですか?」
私は急に寂しくなって、レイチェルさんに聞く。
「一度、ギルドに報告に行かないといけないので…。でも、多分また近いうちにあのダンジョンに行くためにミアロスには行くと思います。その時はご挨拶させてください」
「えええ寂しいぃぃぃ」
私よりさらに寂しい人おった。
シオはレイチェルさんの手を持ってブンブン振る。
「また一緒に冒険しようね」
とアマンダさんがシオの頭に手を乗せて言う。
いやぁ、私はしばらく嫌ですがね…。
「またな」
とリックさん。
リックさんとはあんまり話せなかったなぁ。
「じゃあ、今度またお願いしますよーっと」
ダウニーさんがそう言って、シオの肩に手を置いた。
「もっちろん!!!」
鼻の穴を大きくしながら、シオは胸をドンと叩いた。
やめて~
こうして私たちは四人と別れ、再び馬車で走り出す。
「あの、セカ?セカはどこまで来てくれるんですか?」
フェンリルを出てしまったけど、いいのかしら?という意味で聞いたが、セカは動きを止めた。
「…迷惑か?」
「いやいやいや!!そういう意味じゃない!!ありがとう…。すごく助かるけど、こちらこそ迷惑じゃないかな、と思いました…」
私は慌てて手を振って否定して説明する。
「よかった。俺はやりたくてやってるから気にしなくていい」
「ふーーーん。ほぉーーーー」
二人でそんなやりとりをしていると、シオが真ん中で腕を組んで唸っている。
「私、お邪魔みたいだね!」
「何言ってるの!お邪魔じゃないよ…。いいからおとなしくしてなさい」
まったく、大人をからかうんじゃないっての!
そうこうしているうちに、砂漠地帯までやってきた。
「ここからはラクダに乗ろう」
「「ラクダ」」
馬車を降りて、私たちはオアシスの町にやってきたわけだが、セカが不意にそう言った。
ラクダなんて乗ったことないよ。
町の外には出たことがなかったし、ラクダは観光客くらいしか乗らない。
シオはもちろん大はしゃぎ。
「出発は明日の明け方に出よう…シア…ヨアンは大丈夫か?」