ぐうたらの私が異世界で帽子屋(マッドハッター)になる
第20章 第二十話
「シオは魔法が使えるんです。氷の魔法が。魔法使い登録をするかどうか、慎重に判断したいと思っていて…」
「どの国も、貴族の特権であることに変わりはないから、気を付けてくれ」
「そうですよね…」
そんな会話をしながら、二人でシオの後ろ姿を見ていた。
こうして、我々は南に向かってやってきたわけだが、ちょうどお祭りをやっている町にやってきた。
「わぁ!お面祭りだぁ!!」
シオは馬車をダッシュで降りて、お面の屋台に直行。
私もそれを追いかける。
「すみません、まだ先に進みますよね?」
シオを無理やり引っ張ってきながら聞くと、セカは「ここで泊まろう」と言ってくれた。
まず宿を取り、皆さんと別れ、私とシオとセカはお祭りを見に来ていた。
「俺もいいのか?」
「セカおじちゃんのお面選ぶー!」
セカはちょっと困っていたが、七歳児の勢いの前に負けた。
「なんかごめんなさい…」
私は思わず謝ると、
「いや、こういうのも、たまには楽し…」
とセカは言いかけて、再びシオに振り回されていく。
赤いランタンがあちこちに飾られ、みんな民族的な変わったお面をかぶっている。
私もせっかくだし、被らせてもらうことにした。これなら顔も隠せるし、一石二鳥。
まだ薄明るい町に、たくさんの仄かな赤い光が灯っていく。
幻想的で、私は思わず目を細める。
「シオー!シオー!」
町に見とれていると、セカの声がした。
「シオを見失ったんだが…」
「いつもですよ…。変な人についていくことはないと思うんですけど…まあ、宿もわかってるし、大丈夫だと思います」
迷子になるのはいつものことだった。
少し探して、宿に戻ることにした。
「あ!」
あまりにも人が多く、私は転びそうになってしまった。
セカがグイッと引っ張ってくれて、転倒は免れた。
「あ、り、がと…」
あまりにも距離が近すぎて、私は少し顔をそむける。
「いや…」
セカはそう返事をしたものの、なかなか離してくれなかった。
私もどうしたらいいのかモタモタしていると、
「あーーー!!セカおじちゃんとママ、仲良ししてるー!!」