ぐうたらの私が異世界で帽子屋(マッドハッター)になる
第18章 第十八話
ファンタジー映画とかに出てくる、巨大で恐ろしい怪物だった気がする。
そう、そのものがすぐ近くにいるのだ。
そして、棍棒を振り回し、こちらに向かって突進してくる。
リックさんが素早く盾を構えるが、オークに跳ね飛ばされてしまった。
え?もしかして、ピンチじゃない?
私は、魔法を撃とうとするシオを抱きしめて、その場に座り込む。
「いっけーーー!!」
そんなのお構いなしに、シオは大きなつららを出し、オークに向かって撃つ。
腕にぶつかった。
オークは少したじろいだが、余計怒ってしまい、こちらに向かってきた。
「こちらへ!」
レイチェルさんが、私たちを木箱の陰に案内してくれた。
「ここに隠れていて」
そう言って、レイチェルさんはオークに向かって行った。
棍棒を避けながら、何太刀も斬りかかるも、なかなか深い傷を与えられない。
その間にも、少し距離をおいたアマンダさんが矢を射る。
「リック、大丈夫か?」
「ああ、問題ない」
ダウニーさんがリックさんを助け起こしにいき、少しずつ体制を整える。
「あ。ママ…」
私がハラハラ見ていると、シオが私を呼んだ。
「何?今ちょっと…」
大変なところ、と言いかけると
「ここに階段あるよ」
とシオが言った。
「え?」
シオの指す、木箱の下に、なんと石でできた階段があったのだ。
「ダウニーさん!こっち!!」
私は急いで近くにいたダウニーさんを呼び、階段を確認すると、一斉に逃げる準備に取り掛かった。
「あたしが巻いちゃう!」
そう言ってアマンダさんが弓矢を射ながら、走り回り、オークをかく乱する。
その隙に全員木箱の近くへ。
そして、最後にアマンダさんが階段までやってきて、木箱で蓋をした。
その場で皆、息を潜めると、ドシンドシン足音がウロウロしていたけど、あきらめたのか去って行った。
その後、リックさんが松明に火を着けた。
すると、階段には一段一段宝石のような物が散りばめられていて、光に反射してキラキラした。
「綺麗…」
シオがしゃがんで宝石?を触っている。
「ここは、なんなんですかね?今までロープの階段だったのに…急に人工物…」
と、私はレイチェルさんに聞いてみるも、レイチェルさんにもわからないらしく、首を捻っていた。