ぐうたらの私が異世界で帽子屋(マッドハッター)になる
第18章 第十八話
皆に挨拶した後、軽く朝ごはんを済ませ、地下三階の階段までやってきた。
「またか…」
私は下の階の漆黒の闇を眺めながらぼやいた。
なんとか中腹まで来たとき、アマンダさんが言った。
「なんか、こっちに来る!」
「ええええこんなところでぇ!!」
ちょうど中腹。まだまだ下は漆黒の闇だ。
「鳥みたいな魔物がこっちにくる!リック、松明の炎消したほうがいいかも!」
アマンダさんの言葉に、すばやく火を消したリックさん。
光の届かない漆黒の闇が広がる。
バサバサと遠くから、羽ばたく音だけが聞こえる。
そして、私たちも息を潜め、じっと鳥が過ぎ去るのを待つ。
バサバサ、バサバサと頭をかすめそうなくらいの距離を飛んでいった。
羽の音が遠ざかるのを確認すると、火はつけずにそのまま再び下り始める。
もー!絶対!!金輪際!!ダンジョンには行かない!!
その後、なんとか地面にたどり着き、私は本気で泣きそうだった。
足ががくがくだ。
「この先、何があるかわからないので、固まっていきましょう」
とレイチェルさんが言う。
抜刀できる距離は空けつつ、私たちは固まって歩いた。
そんな時、
「ねえねえ、あそこ何か、あるよ?」
とシオが私に声をかけてきた。
「何かって何?歩くのに集中しないと!」
「あ!そ!こ!」
あまりに強く言うので、そちらを見てみた。
少し離れたところ、壁の近くに、木の箱が置いてあった。
「え?人工物?」
私がそう言って立ち止まると、みんな一斉に立ち止まった。
明らかに誰かが持ってきたような箱が一つポツンと置いてあった。大きさは人ひとりが入れそうなくらい大きい物。
みんなも興味を持ち、そちらに歩いていく。
そして目の前に立った時、私は例のあの気配を強く感じた。
(マッドの気配がする…マッドの荷物?)
私は開けたい衝動に駆られた。
しかし、レイチェルさんは冷静で、
「いったん、落ち着きましょう。なにかの罠かもしれないわ」
と言った。
でも、この気配…
「特に、鍵とかはついていないみたいだから、開けることはできそう」
とアマンダさんが言った瞬間、
グォォォォォ!!
と地面が揺れるくらいの激しい咆哮が背後から聞こえた。
咄嗟に意味もなく頭をかばう。
「オークだわ!!」
「オーク…」
聞いたことはある