ぐうたらの私が異世界で帽子屋(マッドハッター)になる
第17章 第十七話
「すごかったね!ママ!!」
「うん、すごい迫力だった…」
二人で感想を述べあっていると、
「シオちゃんありがとうね!」
とアマンダさんがお礼を言ってくれた。
「私外しちゃったけど…」
「十分十分!注意をそっちに向けてくれただけで!」
こちらは生きた心地せんかったけどな…。
そんな話をしていると、親玉ラクソスの爪だけ刈り取っていた。
「これが、工芸品の材料として売れるのよ」
「あ、その大きさならシルクハットに入りますね」
あんまり入れたくないけど!
私も何か役に立ちたいし。
こうして、そんなに大きくない素材は私のシルクハットに入れることにした。
再び洞窟を歩み始めた。
どれくらい歩いただろうか。
親玉ラクソスの間から、しばらく歩くと、下の階に行けるロープのはしごがあった。
「え?これで?降りるんですか??」
暗いのもあって下がまるで見えない。
私は高所恐怖症だ。
「ヨアンさんは真ん中で行きましょう」
とダウニーさんが言ってくれたが、怖いもんは怖い。
「シオは大丈夫!高いところ好き」
…本当に、誰に似たのかしら。
シオは相変わらず元気だ。ずっと楽し気である。
レイチェルさん、ダウニーさん、私、アマンダさん、シオ、リックさんの順で降りることになった。
はしごの頼りないこと。
ゆらゆらして、足がうまく入らない。
「うーーー…辛い…」
「頑張ってください!」
ダウニーさんが私の足を押さえながら降りてくれた。
なんとか生きて二階に降りてこられた。
…これがもう一回あると思うとつらい。
こうして地下二階にやってきたわけだが。
降りて早々、成人男性くらいあるアリの魔物の大群が歩いていた。
物陰に隠れてやり過ごす。
「あいつらは、女王アリの餌にするために、侵入者を襲う非常に好戦的なやつらだ」
とダウニーさんが言う。
一番怖いんですけど…女王アリの餌って。
「しかも、やっかいなことに、次々仲間を呼ぶから、できればみつかりたくないのよね」
アマンダさんもアリの様子を見ながら言った。
でも、これじゃあなかなか動けない。
「一番身軽なあたしが囮になるよ」
「いや、アマンダは近距離攻撃は向かないから、私が囮になる」
アマンダさんの提案に、レイチェルさんが答えた。
「でも隊長がいないと…」