ぐうたらの私が異世界で帽子屋(マッドハッター)になる
第17章 第十七話
「大丈夫よ、ダウニーに任せる」
「おうよ、任せとけ」
少し不安げなアマンダさんに、ダウニーさんは力こぶを見せて言う。
「不安だわ…」
「ひどい!」
女性陣のが強そうだわ。
こうして、レイチェルさんは囮となるべく、アリたちの前に躍り出た。
やつらは、キシキシと関節音みたいを立てて、レイチェルさんを追いかけだした。
「今のうちに行きましょう!」
アマンダさんの一声で、私たちは駆け出した。
キシキシ音が後ろから聞こえてくる。
「そこを右!つぎを左!」
ダウニーさんが先頭を走り、アマンダさんが地図を読む。我々親子を真ん中に、一番後ろにリックさんがいる。
こうして、アリたちを巻いて、地下三階に降りる階段までたどり着いた。
しかし、待てども待てどもレイチェルさんがやって来ない。
「あんな雑魚にやられる大将じゃないけど…」
とダウニーさんもさすがに心配そうにしてる。
「見に行ってみよう。レイチェルさんが女王アリに捕まったら大変だよ!」
と、シオが言うと、
「だいじょーぶよぉ…」
というレイチェルさんの声がさきほど曲がってきた角からした。
「ごめん、ちょっと、へましちゃって…」
レイチェルさんが足を引きずりながら現れた。
「え?隊長!怪我したの?」
アマンダさんが一番に駆け寄って聞く。
「そうなの。ちょっと女王アリの巣に入り込んじゃって、女王アリと戦ってきたのよ…その時にちょっと怪我しちゃって」
「ポーションあるけど、結構ひどい怪我だな…」
私がシルクハットから出して、ポーションをかけてみるが、あまり効いていないみたいだった。ひどい裂傷だった
「上級ポーション買ってくるんだったな」
と、リックさんもレイチェルさんの怪我を見ながら言う。
「シオ、回復ちょっとできるよ!でも、こんなに治せるかわからないけど」
と、シオが言った。
「え?シオちゃん、回復魔法もできるの?」
とメンバー一同驚いていた。
「うん。なおしてみるね」
シオがレイチェルさんの負傷した足に向かって、両手をかざす。
まもなく緑色の光が患部にあたり、血が止まった。
その後、結構長い時間そうしていた。
「レイチェルさん、どう?」
「いやー、すごいねシオちゃん!もう全然痛くないよ、ありがとう」
と、レイチェルさんがつま先で地面をトントンして言った。