ぐうたらの私が異世界で帽子屋(マッドハッター)になる
第14章 第十四話
「…私も。シアンさんを好きですよ。貴女のことも守りたいと思っています」
じっと目を見つめて言われてしまい、私は顔が熱くなった。
「あー…これお酒かな??」
恥ずかしくてごまかしてしまった。
「貴女はまじめな話をまじめに聞かない悪い癖がありますよ」
「はい、すみません」
またいつもの調子で怒られてしまった。
そしてしばしの沈黙。
あれ?そういえば、今って…
初夜ってやつだ。
私は急に思い至って、どうしたらいいかわからなくなってしまった。
「あー…なんか暑くありませんか?窓開けますね」
そう言って、窓のほうへ行こうとすると、
「開けないでください…こちらへ」
と、ユラくんは呼んできた。
私はふらふらとそちらに向かうと、ユラくんに両手を掴まれた。
「もしも、私がお嫌でなければ。拒まないでほしい」
「そんな言い方、ずるい!」
「貴女も知っての通り、私はずるいですよ…とても」
そう言って、引き寄せられて深い口づけをされた。式の時とは比べ物にならないほどの。
「ずるい…」
私のそんなつぶやきも聞いてか聞かずか。
熱に浮かされたような、ふわふわのような、そしてときどき苦い夜。