ぐうたらの私が異世界で帽子屋(マッドハッター)になる
第11章 第十一話
「まあ!魔法で帽子を作れる帽子屋さんなんて、素晴らしいですね!…しかも、こんな町民街の外れに…」
魔法で作っていることが公けになると、お客さんみんなから言われた。
「そう、ですかね…」
魔法で作り出すなんて言ったら聞こえがいいけど、シルクハットから出てくると思うとちょっと怖いと思うけども…。
作り方までは見せていないが、すぐできることも隠さなくてよくなり、納期も来店後、すぐにできるようになった。
そんな様子を、ユラくんは腕を組んで静かに見ていた。
そして閉店間近か。
からん、とベルの音がして来客を知らせた。
「いらっしゃ…セカ…」
「久しぶりになってしまったな、すまない、シアン」
セカが現れると、ユラくんは敬礼のポーズをして、近くに来た。
「私は席を外しましょうか?」
「ああ、聞かれたら困る内容でもないし、大丈夫だ」
とセカは言って、一枚の紙を懐から出した。
「そういえば、お前、文字が読めないんだったな」
「やっぱりバレてる…」
そんな会話をしていると、ユラくんは少し驚いた顔をしていた。
「単刀直入に言うと、金眼の男らしき者の目撃情報があった」
「え!!?本当ですか」
「まあ…らしき、だがな。ここに人相書きもある」
そう言ってもう一枚紙を出した。
絵を見てもあまりしっくり来なかったが…。
「うーん…記憶があいまい過ぎて、ちょっと似てるかどうかわからないですね」
「発見されたのは、砂漠の町『フォーレン』だ。…お前は場所もわからなさそうだから言うと、ここより西に内陸に行くとある小さな町だ」
「なるほど…」
そこに行けば、会えるのかな?金眼の男。
「フォーレンに…行きたいのはヤマヤマなんですけど…」
「勝手をされては困ります」
私がそこまで言ったとき、ユラくんが会話に入ってきた。
セカは少し驚いたような表情をして、
「『勝手』とは?誰への勝手なんだ?」
「もちろん、わが主ラドクリフです」
「…ラドクリフ殿か…魔法庁の管理長だったな。なぜ、その管理長への勝手になるんだ?」
「…セカ様は、貴方は何も知らないのですね…」
「領地を離れていたから、何があったのか、さっぱりわからないが…」
セカは非常に困惑した表情で、私とユラくんを交互に見る。
その様子を見て、ユラくんは私に向き直った。