ぐうたらの私が異世界で帽子屋(マッドハッター)になる
第10章 第十話
「助手って…そういう、助手なの…?」
ユラさんが帰った後、私はドッと疲れた。
形から入るのが好きな私は、たしかにお料理道具は一式そろえてある。
でもさ!レシピとかないじゃない!どうしよう。
そして、ユラさんは8時にくるから7時半に起きよう。
そう思って、ぐっすりと眠りについた。
コンコンコン
ノックの音がして、私は飛び起きた。寝すぎたーー!!と思って時計を見ると、7時20分。
ユラさん……。
「寝てたでしょ」
「起きてます!!!」
嘘だけど。
急いで準備をすると、8時半には準備が終わった。
「あ、ユラさん。私スーパーに行きたいです」
「スーパー??とは?」
おっと、この世界にはないのか。スーパーマーケッツ。
「えっと、ごはん作るのに、食料を買いたいです」
「ああ、市場ですね。わかりました。私はすぐにも出られますよ」
こうして二人で買い物に出かけた。
「あ!!シアン!」
「レイニーちゃん!!と…もしかして、パニーさんですか?」
「そうだよー。よろしくシアンちゃん」
たしか、パニーさんはパン屋さんのせがれさんですよね。茶髪にそばかすが素敵です。
偶然の再会に喜び合っていると、レイニーちゃんはこっそり私に耳打ちしてきた。
「もしかして、デート中?」
「デートではないですー。残念。そういうレイニーちゃんはデートでしょ」
同じ声色で聞き返すと、レイニーちゃんはなんだかおもしろくなってきたのか、笑いながら、
「そうだよー」
と言った。すごくお似合いだった。
「てっきり彼氏さんだと思っちゃった」
と言われる。いや、どう見ても私とユラさんじゃ釣り合わないと思うのだが。
「彼氏ではないが、近い将来婚姻する関係だ」
笑い飛ばそうとした瞬間、周りが固まるような発言をするユラさん。
「え?…おもしろい冗談です…よね?」
「冗談ではありません。事実です」
事実…事実…婚姻??
「えええええ!!!やだ、シアン照れて隠してたでしょ!!言ってよーおめでとー!!」
レイニーちゃんがいろいろ言っていたが、私の頭の中には全く入ってこなかった。