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たまのケージ【ヒロアカ】

第18章 会長の秘密(ホークス)


「あの子達、どうしたんですかね……?」

根津校長に訊くと、私の声に1人の子が反応して「おい、行けよ!」とか言って隣の子を小突いている。

「……?」

私と根津校長は多分同じ、何だろうという気持ちで顔を見合わせた。

すると、1人の男の子が意を決した表情でこちらに向かって歩いてくる。
そして、私の前で立ち止まった。

「あ、あのっ!」

 わ、私!?なんだ!?

「僕っ、出水洸汰っていいます!」
「は、はい……」

 なんの用だ!?もしかしてどっか汚れてる?

「あの……えっと……その……」
出水と名乗った男の子は、顔を赤らめて口籠っている。
そこで、彼が何を言いたいのかうっすら分かってしまった。

いや、ちょっと待って欲しい。

私は、この子からしたらきっとおばさんに入る部類の歳だ。

滅多に会わない掃除のおばさんに、そんな事を言う?

ちょっと嬉しいけど、かなり困ってしまう。

「あの……えっと……」
今度は、私が口籠ってしまった。

助け舟を出して貰おうと思って根津校長の方を見たら、彼はもういなかった。

 ちょ、待っ……

 ぴ、ピンチ……?私……

 誰か、運よく助けに来てくれ!

「洸……あ、いや出水くん!」

私の祈りは通じたのだろうか。

後ろから声がしたので振り返ると、そこにはデク先生がいた。

「早くUSJ行ってね!授業に遅れちゃうよ?どうしたのこんな所で」
デク先生がそう言うと、出水くん達はお前察しろ的なオーラを放ちつつ「……はーい」と言って私達に背を向けて歩き出した。

 ……た、助かった……

彼らを見送ると、デク先生はなんとも無垢な笑顔を私に向けた。
「甘井さん、こんにちは!生徒達に何か、言われてたみたいですけど……」
「あ、いえ……」
生徒のセンシティブな事を教師に話すワケにはいかないので、私は軽く受け流すことにした。
「今日はもう帰られるんですか?」
「あ、いやまだ……職員室のゴミ、集めようかなって思いまして」
私達は、そんな会話をしながら職員室に入った。


私は、職員室内に点在するゴミ箱をひっくり返してゴミを1つの袋に纏めていく。


「……はー……」


全部のゴミを回収し終えた後、私は溜息を吐きながら肩を回した。

 今日も、結構よく働いたなぁ。

「肩、痛いんですか?」

不意にデク先生に話しかけられる。
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