第18章 会長の秘密(ホークス)
後ろを振り返ると、なんでこんなもん見せられなきゃいけないんだとでも言うような表情のイレイザー先生が立っていた。
「こ、こんにちはイレイザー先生!」
私がちょっとしどろもどろになりながら挨拶すると「どうも」と気だるげに言われる。
「真っ昼間から何ドラマみたいな事してるんですか」
「……ドラ……?」
ドラマって、こんな事してたっけ……?
そんな事を思いつつデク先生の方を見ると、こんな所で誰かに見られる確率なんて高いのに、見られた事が恥ずかしかったらしく顔を真っ赤に染めていた。
「緑谷、そういうのはよそでやれ」
「相澤先生……っ……」
何はともあれ……また助かった……
「わ、私、ゴミ捨ててきますね……では、また……」
「あ、甘井さん……!」
もう少し私にここにいて欲しいのか、ちょっと名残惜しそうなデク先生に笑いかけて、私は職員室を後にした。
「……ふぅ」
ゴミ捨て場に職員室で纏めたゴミを置いて、一息つく。
なんか……
今日、ピンチ多かったなぁ……
でも、あれだなぁ。
年下すぎる高校生とか、デク先生とか……
私、結婚してもう誰かに好意なんて寄せられる事ないと思ってたけど……
なんだ、私もしかしてまだイケるんじゃ……?
そんな風にちょっといい気になった事を、後々私は後悔する羽目になる。
その日の夜。
「あれ?会長まだお風呂入んないの?もういい時間だけど」
もう23時を回ったというのに、なんだか真剣にスマホを見ている啓悟に私はちょっとした疑問を覚えた。
「んー……これから、ちょっと外出るかもしんないから」
「……あ……そぉ……」
私は、疑問を自分で勝手に解決した。
多分、アレだな。
前にショートくんが言ってたキャバクラにでも行くのかな。
ま……いっかぁ……でも……
そんなに入れ込まれると、ちょっと寂しい……かな……?
そんな事を思っていると、後ろからふわりと抱きしめられる。
「なに?夜中に1人で家いんの、寂しい?」
理由はちょっと違うけど、寂しいのは合ってる。
ショートくんには私で満足できないならその道のプロに、なんて言ったけど、実際そうなるとやっぱり寂しいもんなんだろうか。
私が返事をしないでいると、後頭部にちゅっとキスをされる。
「繭莉、こっち向いて」