第18章 会長の秘密(ホークス)
「あ……もう歳なんですかねぇ……最近肩と腰が……」
「あ!それなら、ここ座って下さい!肩揉みますよ!」
デク先生が、自分の座っていた椅子を私の前にコロコロと転がしてきた。
……うーん……
デク先生に肩揉ませるとか……どんな身分なんだ私は……
でもマジで肩が……
ん!ちょっとだけお世話になっちゃおう!
「……じゃあ、ちょっとだけ……すいません、なんか……」
「いえいえ!」
お言葉に甘えて椅子に座ると、デク先生のあったかい手が私の両肩を労るように包み込む。
「……あ、結構こってますね甘井さん」
「あー……デク先生、力強いしツボにハマりますぅ……極楽……」
デク先生の肩もみが案外気持ち良くて、なんだかこのままでは寝そうになってしまうくらいだ。
「あの、甘井さんって」
「はい!?」
ちょっとウトウトしかけた所に急に話しかけられて声が上ずった。
「な、なんでしょう」
「えっと……」
そこまで言うと、デク先生の手がぴたりと止まった。
「?」
「……甘井さんって、その……シンデレラみたいですよね」
シン……デレラ……?
シン……
え、いつも掃除してるから?
いや、私それが仕事だし……意地悪してくる人もいないし……
これ、どう返せば……?
私が考えあぐねていると、後ろからふわりとデク先生のお風呂上がりみたいな香りがした。
デク先生に、抱きしめられていたのだ。
抱きしめられたという事で、彼が何を考えてこの後何を言いたいのか、またしてもうっすらと分かってしまった。
だけど私は一応既婚者なので、この手をなんとかしなきゃならない。
あーよかった……職員室にいるの、私達だけで……
「デク先生、あのー……」
少しの気まずさを抱えて振り向くと、デク先生はパッと私から手を離した。
「あ、あのっ!すみません!」
そして、その顔はみるみる赤くなっていく。
「すみません、本当に……っ、でも、あの……!」
そして、さっきの出水くんみたいに意を決した表情をするからもう逃げ場がない。
まただ!どうしよ!
また都合よく誰かが来てくれないかと思っていると「何してるんだお前ら」と神の声が後ろから聞こえた。
こ、この声は……!
「イレイザー先生!」