第18章 会長の秘密(ホークス)
だけどどうやら、彼は子供は欲しくないみたいだ。
考えてみれば。
結婚式は、挙げてない。
結婚指輪は貰ったけど啓悟は着けていないので私もしてない。
それに、結婚している事もどうやら隠しておきたいみたい。
私達の関係を知っているのは、エンデヴァーさん関係で、轟家の人達と啓悟が信頼を寄せてるツクヨミくん、それと公安委員会の目良さんくらいだ。
私は信頼している友達にもいまだに結婚している事を言えないでいる。
いまだにといえば、結婚しても私は啓悟の事を知っているようで知らない。
それって、どうなんだろう。
「結婚した意味、あんのかな……」
ちょっとだけ寂しい気持ちになりながら、私は冷めてしまった料理を温め直そうとコンロの火を点けた。
次の日。
「繭莉ちゃんに会えるの、久しぶりだから楽しみにしてたの!」
轟家のリビングで、冬美さんが花のほころぶような笑顔で言った。
私と啓悟の関係を知ってるという事で、轟家の皆さんにはよくしてもらっている。
特に、冬美さんとはちょいちょい会ったりする仲になった。
今日は冷さんもいるし、久しぶりに会えたという事で話も弾みそうだ。
「どう?結婚生活は、慣れた?」
冷さんがお茶を淹れながらそう聞いてきた。
「んー……」
慣れたのか、慣れていないのかよく分からなくて私は少し濁してしまった。
「あ、でもあれよねぇ。ホークスさんも、結婚してる事みんなに内緒にしておきたいなんて。なんでかしらね?」
「……私にも、よく分かんないんです」
冬美さんが不思議そうに言うので、冷さんから渡されたティーカップの中で揺れるお茶を眺めながら私はそう返した。
ホントに、どうしてなんだろう。
も、もしかして実は……
私の事なんて、どうでもいいんじゃ……?
「言っちゃった方がいいと思うのよねぇ。だって繭莉ちゃん、可愛いし」
冬美さんが、トンデモ発言をする。
「えっ!?」
「独身だって思ってアプローチしてくる人とか、出てくるかもしれないわね」
それに続いて、冷さんまでそんなドラマ展開みたいな事を言ってくる。
「い、いや!それはないです!私ホント今までモテた事ないし第一可愛くないです!」
ブンブンと首を横に振ると、2人が「そう?」と首を傾げる。
「……そうです……」