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たまのケージ【ヒロアカ】

第17章 サイドキックのつくりかた(爆豪勝己)


『すみません、でも今すぐ来てください!』

すぐ来いという事は、自分が思う以上に相当ヤバい事があったのだろう。

「……わぁったよ、すぐ行くから待ってろ」

通話を切りながらベッドから降りる。
そして、繭莉の方をちらりと見ると彼女はにこりと微笑んで起き上がった。

「……悪ぃ……」
「いえ、大丈夫です。勝己さん、お気をつけて」
「あぁ。ちゃんと鍵、閉めとけよ」

そう言うと、軽く着替えて少しばかり後ろ髪を引かれる思いを抱えながら勝己は家を後にした。








歩いて25分くらいの場所にある事務所に着いた勝己は、ドアノブに手をかけた。

「ダイナマイト!!」
「うぉっ!」

きっと、物音が聞こえたのだろう。
勝己がドアを開けるより早く、サイドキックが事務所から飛び出してきた。

「おどかすなや!なんだっつぅんだ、一体よぉ」
「いや……っ、マジ、助けて下さい……」
青ざめた顔でサイドキックは床を指差した。



指差した先には、ちょっとデカめの蜘蛛が床を這っている。



「……は……?」



勝己は、愕然とした。

まさか、自分はただ蜘蛛を退治するだけの為に呼ばれたのだろうか。

いや、そうではないと信じたいがどうやらそうなのだろう。

サイドキックは、勝己の後ろにサッと隠れると両肩をガシっと掴んできた。
「俺っマジでダメなんです!あの脚いっぱいあるやつ!ホンっ……無理、マジ!」
そう言ってガクガク震えている。
「……てめぇ……」
サイドキックをギロリと睨むが、彼はそれどころではないらしい。
「あっ!不用意に動かないで!逃げられる!逃げたらどこにいるか分かんなくなっちゃうじゃないっすか!」
「うっせぇな!」
勝己は、ずんずんと蜘蛛の前まで歩みを進めると、素手でそれを掴んだ。
「ひっ!!」
サイドキックが、信じられないというような表情で勝己を見るが、お構いなしに窓を開けた。

そして、窓の外に思い切り蜘蛛をぶん投げた。

これで、制圧完了である。

それにしても。

「なんでヴィランは捕まえられんのにこんな蜘蛛一匹捕まえらんねんだ!てめぇは!あぁ!?」

あんな声で助けを求めてくるもんだから、と思い急いで来た自分が馬鹿だったとプチ後悔をした勝己は事務所の隅で震えていたサイドキックの首根っこを掴んで無理矢理立たせる。

「だっ、だからすみませんって!」
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