第17章 サイドキックのつくりかた(爆豪勝己)
実の所、仕事が忙しい所為もあって最近とんとご無沙汰なのだ。
そんな中、久しぶりのチャンスだったというのに、なんだか邪魔された気分になってしまう。
「……風呂入ってくるわ」
ここはもう、風呂にでも入って仕切り直すしかないと思った勝己はそう言うと繭莉の肩から手を離してソファから立ち上がった。
「あ……はい……」
赤い顔のまま繭莉が頷いたのを見て、なんとも言えない気持ちを抱えて勝己は浴室に向かった。
そして、pm11:45。
勝己は、寝室のベッドに寝転がっていた。
そして、今日のワンチャン連中との出来事を思い出してイラついたり、さっきの空気の読めない給湯器に何邪魔してくれてんだと文句を投げつけてやりたい気持ちになったりと、感情が大渋滞を起こしていた。
「あの、勝己さん?」
いつの間にか寝室に来ていた繭莉に声をかけられて勝己は我に返ると、上半身を起こした。
「あぁ?ンだよ」
「具合、悪いですか?なんか……」
そう言いながら、ベッドに座った繭莉の身体をトンと押すと、その身体は簡単に仰向けにベッドに倒れた。
「きゃっ!え?」
「具合なんか、悪かねぇよ」
「あ……え……」
突然ベッドに倒されて戸惑う繭莉の上にのしかかると、小さな手をぎゅっと握った。
そして、細い指に自分の指を絡めると彼女の顔はみるみる赤く染まっていく。
「勝己さん……っ……」
今度は、邪魔も入らなさそうだ。
ちゅ、ちゅ、と触れるだけのキスをしながら絡めていた指を解いて繭莉のパジャマのボタンに手をかける。
それを外そうとした、その時だった。
ピピピッ!ピピピッ!
ベッドの隅に置いていた勝己のスマホがけたたましく鳴り始めた。
……おい……
なんなんだよ!さっきから!
もうこの際無視して続けりゃそれはそれでいいとも思ったが、スマホはしつこく鳴り続けている。
勝己が仕方なく通話ボタンをタップした瞬間、耳に当てる必要もない程大きくて切羽詰まった声が聞こえた。
『ダイナマイト!助けて下さい!!』
この声は、勝己のサイドキックだ。
邪魔しないと言っておきながらこんな時間に助けてくれと電話をかけてくるなんて、何かとんでもない事があったに違いないと勝己は思った。
「落ち着けよ、なんだっつぅんだ」