【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第11章 The Night I Chose You
黒尾は軽く伸びをしながら笑顔を向ける。
「よし、行こっか。」
その言い方だけで、胸の奥がぎゅっと熱くなる。
──嬉しい。
でも怖い。
そんな混ざり合った感情を、仁美 は自分でもうまく扱えなかった。
⸻
ビジネスホテルの看板が見えてくる。
その瞬間、仁美 の足が少しだけ止まった。
「……クロ、本当に大丈夫かな。受付の人に怪しまれたりしないよね。親に連絡とか……来ないよね……?」
声が、いつもより細い。
黒尾は振り返り、仁美 の両肩をそっと掴んだ。
「大丈夫。予約も俺名義だし、変なこと聞かれるホテルじゃない。ちゃんと考えてあるから。」
その言葉は明るくて、でも奥にある決意の重さが伝わる。
黒尾は続ける。
「……心配なのはわかるよ。でも、今日は逃げないで。仁美 が来てくれたことが、俺は一番嬉しいから。」
優しい声なのに、どこか彼の昂りも見える。
二人は近くの小さなケーキ屋に寄った。