【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第16章 Where His Darkness Lives
黒尾が仁美の手を引くと、そのまま2人で大学を出た。
黒尾に導かれるまま、仁美は胸の鼓動を押し込めて黒尾に微笑む。
私たちは大丈夫だ。
そう信じながら、黒尾の手を握り返して彼に従って歩いた。
そうして黒尾が高揚を隠せずに仁美を連れてきたのは、近くの駅のホテルだった。
卒業式の日に黒尾が用意してくれたホテルとは違って、そのホテルは行為をするためだけのホテルだった。
入口を前に、一瞬仁美の足が止まった。
黒尾はそんな彼女の躊躇は、恥ずかしがっているのだと思った。
「仁美、大丈夫だから俺に任せて。」
そう言っている黒尾の顔は、あの時と同じように仁美を安心させる笑顔だった。
繋がれている大きな手も何も変わっていない。
「…クロ…私……。」
黒尾の手を強く握っても、不穏な気持ちを言葉に出来なかった。
「仁美、お願いだから俺だけの時も受け入れて。」
研磨が居なくても、仁美が自分を好きだと感じたい。