【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第11章 The Night I Chose You
ショーケースの前で、仁美 が悩む横顔を黒尾はずっと見つめている。
「これ……可愛い。」
「じゃあそれにしよ。卒業祝いだな。」
黒尾はケーキを受け取ると、まるで宝物みたいに大切に持った。
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そしてホテルの自動ドアが開く。
受付の女性に、黒尾は落ち着いた声で言う。
「予約している黒尾です。」
先程まで高校生には見えないような落ち着き”に仁美 は驚く。
エレベーターの扉が閉まった瞬間、黒尾は仁美 の手を握りしめた。
緊張で強く握り返してしまった指先が、汗ばんでいるのをお互いに感じた。
部屋の鍵を開けた瞬間、ふたりの息が止まった。
知らない匂い。
静かな空気。
ベッドの白さ。
そのすべてが、“もう戻れない一線”をやわらかく照らしているように見えた。
仁美 は喉が乾いて、何も言えなかった。
黒尾はそっと振り返り、不安と嬉しさを抱えた顔で微笑む。
「……仁美。今日は、ちゃんと大事にするから。」