【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第11章 The Night I Chose You
⸻このあと、三人で写真を撮ろう。
そう思うだけで胸がきゅっとなる。
今日のこの景色はきっと、もう二度と戻らない。
式が終わり、体育館から外へ出た瞬間、春の気配を含んだ風が吹いた。
「研磨。」
仁美 が振り向いて呼ぶと、研磨は肩をすくめ、小さく微笑む。
「……卒業おめでとう。」
淡々とした声なのに、どこか優しい。
「あとで三人で写真撮ろうね。」
仁美 の言葉に、研磨は一瞬だけ黒尾を見る。
彼はいまだ後輩に囲まれ、笑顔で応じていた。
研磨はゆっくりと頷いた。
「その前に、二人で撮ろ。」
人混みから離れた廊下の窓際。
静かなスペースに移動して、仁美 と研磨は並んでスマホのカメラへ向けた。
カシャ、と軽い音が鳴る。
画面には、少し照れている仁美と、珍しく穏やかに笑う研磨。
「……うん、いいね。」
研磨は短くそう言ってから、もう一度、遠くにいる黒尾へ視線を向けた。
「最近、クロと仲良くしてるみたいで…安心した。」