【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第10章 Honeyed Threat
研磨は嗚咽を吐きながら泣いて顔を俯かせている仁美を黙って見ていた。
だけどその手はやっぱり伸びて…。
仁美の体を抱き締めた。
「…うん…。クロが悪いね。」
研磨の優しい声が届いた時に、仁美は堰を切ったようように声を出して泣いた。
泣いてー。泣いてー。
必死に研磨の背中を掴んで彼に縋った。
研磨は黙って仁美の背中を撫でた。
彼女が泣くことを望んだことなんて一度も無い。
黒尾の側で笑っている仁美をいつも見ていたかった。
研磨は仁美が泣き止むまで、ずっと背中を撫でていた。
たまに研磨の髪が仁美の頬に触れる。
「大丈夫。」と優しい声が耳元に落ちてくる。
「…クロと仲直りしたい?」
仁美の泣き声が落ち着いたころに研磨はポツリと言った。
仁美はその言葉を聞いて、一瞬止まった涙がまた流れた。
「……無理だよ…。クロにいっぱいひどいことしたから……。クロはもう私のこと嫌いになっちゃったよ…。」