【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第10章 Honeyed Threat
なんでこの状況が苦しくて辛いのか…。
そんなのは考えなくても分かった。
⸻黒尾が好き。
それだけの感情だった。
「…わ、私…。クロが好きで……だからクロが他の人好きだったと知った時に傷付いて…。クロが苦しんでるの分かってたのに彼を傷付けたくてワザとクロが不安になるような態度取ってた…。」
仁美は両手の袖で涙を拭いながら、言葉を途切れさせながらその気持ちを素直に吐き出した。
彼を傷付ければ自分の気持ちが一瞬だけ軽くなって。
黒尾が自分に縋る姿を見て、彼の気持ちを確かめていた。
彼が体に触れたい時。
そうしないと不安だった時に、仁美も同じ気持ちだった。
全てを黒尾に委ねるには気持ち的に無理なのに。
自分も彼に触れたくて、求められることに嬉しくて。
なのに、最後まではどうしても無理だった。
そこまで黒尾を信じられなくて。
彼が我慢出来るギリギリの触れ合いで、彼の気持ちを繋ぎつめていた。
本当はそんな関係が健全でも。
2人の関係が改善されるものでも無いと知っていた。