【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第10章 Honeyed Threat
涙で目の前が揺れて、仁美は言葉を探した。
そんな仁美をゆっくり見て、研磨は静かな声で言った。
「仁美。クロも今苦しんでる。」
研磨の言葉に仁美はとうとう涙が流れた。
本当は黒尾も苦しんでいるのは分かっていた。
だけど彼を信用出来なくて、彼がどんな言葉を望んでいるか知っているのに、応えることをしなかった。
真綿で黒尾の首をゆっくり締めるように。
彼の手に指を絡めながら、彼が安心する言葉は絶対に言わない。
自分の気持ちを守るためには仕方のないことだった。
そんな関係が健全ではないと分かっていたのに。
目の前が揺れて、仁美は言葉を探した。
「……わたし……クロにどうすればいいか分からない……好きだけど……怖くて……苦しくて……。」
研磨は近づき、仁美の肩にそっと手を置いた。
「クロが今でも好き?」
仁美は研磨の言葉に一瞬息を止めた。
そんな仁美を研磨はジッと見下ろしている。