【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第10章 Honeyed Threat
黒尾を傷付けるために、研磨の気持ちを利用した。
研磨に縋りつこうとして、結局は黒尾の手を取ってしまった。
研磨に会いたかったけど、研磨にどう思われているか怖くて。
今日まで自分からも連絡を出来なかった。
研磨はほんの少し首を傾けた。
「怒る理由、ないよ。仁美がずっとクロを好きだったの、知ってたし。」
あまりに自然に言われて、仁美は息を飲む。
研磨は視線を外して、街灯の明かりに照らされた地面を見ながら続けた。
「……俺、仁美がクロ見て笑うの、好きだったよ。」
その言葉に胸がズキンと締め付けられた。
研磨はゆっくりと仁美の方を向き直った。
「同じように……仁美に笑ってるクロの顔も、好きだったな。」
風が吹き抜けていく。
その言葉が意味するものを、仁美は一瞬理解できなかった。
黒尾と馬鹿な話で笑い合って、いつも返事のない研磨を振り返って2人で見ていた。
研磨はいつも今のような顔をして、そんな仁美と黒尾を後ろから見ていた。