【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第10章 Honeyed Threat
信じられないと言う顔で、黒尾は研磨を見る。
研磨はいつもの表情でそんな黒尾を見返していた。
そのうち黒尾は目を伏せて、指先でペットボトルのラベルをゆっくり剥がす。
「仁美とさ、上手くいってないんだよ。」
タオルで髪を拭きながら、黒尾は、落ち着いた声で続けた。
「俺、さ──一回不安になると、ダメなんだよね。全部を握ってないと崩れそうになる。」
黒尾の告白に、研磨は黙って彼を見ていた。
そしてゆっくり瞬きをして、前を見た。
「……クロ。」
研磨の声に黒尾がゆっくり顔を上げる。
「仁美 に、俺と会うなって言った?」
その言葉に黒尾は一瞬だけ呼吸を止めた。
タオルを掴む指先が、かすかに震える。
そんな黒尾に研磨は小さく息を吐き、言った。
「……やっぱり言ったんだね。」
研磨は靴紐を緩めながら続けた。
「仁美 と上手くやりたいなら、俺たちの関係を変えない方がいい。」